第1回春季セミナー開催報告
3月11日、一般社団法人日本獣医歯科学会として初となる「第1回春季セミナー」を開催いたしました。本セミナーは、前身である比較歯科学研究会の頃より毎年3月に開催しており、実質第6回目を数える集まりとなりますが、学会化に伴い新たなスタートを切る記念すべき会となりました。


午前のプログラムでは、代表理事である樋口翔太先生による教育講演が行われました。「プロービング時にプローブの先端はどこにあるのか」「猫のセメントエナメル境」など、日頃から歯科治療に携わる獣医師にとっても解像度が低く、かつ日々の臨床に直結する歯周組織について、より深く掘り下げた有意義な解説をしていただきました。


午後に行われた症例検討・報告会では、計15題の発表がありました。発育期・矯正、画像診断、歯内治療、歯周治療、口腔外科疾患、腫瘍など幅広い分野にわたり、症例相談や遭遇頻度の低い疾患の報告、複数症例を集めた研究、模型を使用した研究など、多角的な視点からの発表が行われました。
今回の発表では質疑応答の時間を各8分間と長めに設定しておりましたが、前向きで発展的な内容の質疑が多く寄せられました。非常に充実した意見交換がなされ、会場全体が熱気に包まれる素晴らしい時間となりました。


参加者の皆様による投票の結果、以下の通り表彰が行われました。
【最優秀賞】
萩原祐太郎 先生(淀川中央動物病院)
「口腔内出⾎を伴うメンラス潰瘍(Menrathʼs ulcer)が内科的治療により寛解した猫の 1 例」

【優秀賞】
矢中裕一郎 先生(武蔵小山どうぶつ病院)
「若齢猫の上顎第 4 前臼歯による咬合性外傷における歯冠形成術と抜歯の適応判断 ― 下顎頬側粘膜病変 20 例の後ろ向き検討 ―」

ご参加いただいた皆様、ならびに素晴らしい発表をしていただいた登壇者の皆様に心より感謝申し上げます。当学会は、今後も獣医歯科学の発展と活発な学術交流の場を提供してまいります。
文責:イルカ動物病院 吉住健吾
